終章

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終章

『俺たちは二人で一つ。一緒にいるのは必然なんだ。だから、これからも一緒に生きていこう、――――――』 夏のまばゆい陽光が灰色人狼の森に茂る緑を色濃く照らし出す頃。 森の奥深くにある洞窟の居城で、人間の娘から白き人狼が生まれた。 彼は白き人狼として類まれなる優れた能力を持ち、次の百年を統べる群れのリーダーとして完璧であったが、誰もそばに寄せつけなかった。 特に満月の夜は。 「クソっ、どうして俺は、…――――――」 獰猛で冷酷無比、極度に人間を嫌う孤独な王。 彼には誰にも明かせない秘密があった。 「あなたは灰色人狼(ハイイロ)なの?」 「いや、…」 満月の夜、月の光の下では人間に変化するという秘密。 「俺はシロだ」 彼の行く手に待ち受けるのは繁栄か破滅か。 人狼と人間という異種族の二面性を持つ孤独な王は、…―――誰も愛さない。 ―――――――――――― →番外編更新します。
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