嗚呼

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嗚呼

夏が終わったのに蝉が鳴いている 朝が来ていないのに鶏が鳴く 気にも留められない音が 時間の流れの中へ拡がっていく 思い出されることの無い作品たちが SNSのハーケンとして使われていく 風化し消えていく定めを持った多くが 意味も伝わらぬまま風化していく 風の音が聞こえない 世界が動いていることを感じられないまま 時代に取り残されていく そう俺も気に止められないまま鳴くのだろう
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