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どうしてこんな目に。何でこんなことにといった行く当てのない怒りとやるせなさを最初のうちは背負いきれないと思っていたが、今ではどうにか受け入れて、飲み込んで、心の中の普段は見えないけど、いつでも取り出せる場所にしまってある。ということにしている。本当はどこにあるのか自分でもわからない。雄介の死を受け入れられたのかも正直なところわからない。ただ、私は今日も生きている。そして、これからも生きていかなければならない。それだけはわかっているつもりだ。
首にぶら下げたペンダントをそっと握り、持ち上げる。約束は守り続ける。これから先もずっと。
夜風が左手を撫でた。花火が微かに指輪を照らした。
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