移動式神社の巫女

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 例えば、子供がいて残業できない人のやり残しを、一度手伝ってしまうと、次から私に上乗せされていく。でも、誰かがやらなければならない必要な業務だからと、使命感を持ってやっている。  悟史は、そんな理由で仕事帰りのデートが減っても、「真澄は頼られてすごいよ」「その調子で頑張れ」って言ってくれてたのに。  社内の企画案ポストにも、ダメもとで何度か投函したって言ったら、「俺より出世するかもな」なんて笑ってくれてたのに。  悟史は最初から、一般職の私のことを下に見ていたのだろうか。 「ごめん、そうじゃなくて。彼氏君も、会えなくて淋しいから、誰かに言いたかっただけだよ。ほら、仕事と俺どっちが大事? とはなかなか言えないじゃん」  由紀乃がさすがにあわてている。
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