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後
翌朝、ばぶちゃんのばぶ期は無事明けた……が、俺の雄っぱいは張っていた。
「あのぅ……搾乳器を……っ」
「……」
ばたんっ
俺はばぶちゃんに押し倒されて、朝ちゅーちゅされた。
ちゅ~~~~~~っ!!!
「ひゃぁ――――――――っ!?」
ばぶちゃんのちゅーちゅタイムを終えて。
「あの、ばぶちゃ……っ、あ、ごめんなさいっ」
もうばぶ期明けたんだから、ダメだよね。
「いい……」
ばぶちゃ……いや、ボスが短く答える。こうしていると普通に王子さまみたいなイケメンなんだけど。いや、それ既に普通じゃない。
「普段はルシアンでいい」
「……る、ルシアン、さん」
「さんは、いらない」
「で、でも」
「私の夫になるのだ。そのような遠慮はするな」
「夫ぁっ!?」
「あぁ。お前は私の運命のままん。最愛の番だからな」
キラッキラ~~っ!はう~ん、まぶしぃっ!お耳もっふもふだよぉ~~っ!
「お前の、名は」
「えと……ルル。認知してもらってないから、ファミリーネームはないよ」
俺が現在暮らしている国では、王族貴族以外は苗字がないのだ。
俺の父親は貴族だが、俺を屋敷に住まわせてはくれたが認知をしてくれていないので、貴族籍には入っておらず、その家名を名乗ることは許されないのだ。
「ルル、か」
「うん……、その、それで、俺の身売り金なのだけど」
夫夫になるような話をされたけど、多分これは解決しておかなきゃ。
「ルルが払う必要はない。借金を作ったやつに払わせる」
「だ、だけど。貴族だよ?」
「貴族だろうがなんだろうが関係ない。私たちのシマで好き勝手やったツケは払ってもらう。あと、私の夫を売り払った罪も、とことん払わせてやろう」
ひぁっ!?ルシアン、殺意のこもった眼力いぃぃっ!!!草食獣人としては、ふるふるしてしまう。
「……ルル、恐かったか?」
「う、ううんっ」
嘘だけど、ルシアンは俺のことを思って言ってくれたわけだし。
ふわふわ、ふわふわ、あ、これ落ち着く……。
――――――って、ん??俺、今なにをふわふわして……。
「あ゛――――――――――っ!?」
俺は膝たちになり、ベッドの上で胡座をかくルシアンのふわふわ白熊お耳をふわふわしていたのだ……!無意識に……!!
「あぅ、ごめんなひゃ……っ」
草食獣人なんかが肉食獣人にこんなことをした暁にはあぁぁ~~っ!!
「好きなだけ、やっていい」
「ふぇ?」
「ルルならば、私のどこをさわってもいい。しっぽを、さわるか?」
「い、いいの?」
「もちろんだ」
る、ルシアンがそう言ってくれるのなら……。恐る恐るルシアンの後ろに回り、そのふわふわしっぽにふれれば。
もふぁさぁぁぁっ
「はぅーんっ」
幸せの、ふわふわだった。
そしてアニマフィアのみなさんと出動するルシアンのお見送り。髪は昨日のようにしっかりとオールバックに整えている。昨日は恐かったけど、あらためて見ると、なんだかカッコいいかも。
「さて、今日はルルを売り払ったやつに報復をしてくる。どうだ、殺すか?」
直球――――――っ!
「いや、それはさすがに。自分が作った借金は自分で精算してほしいとは思うけど」
「うむ、そうだな。まぁそいつがルルを売らなければルルと出会うのも遅れていたかもしれない」
あくまでもルシアンは、絶対に俺を見つけてくれるつもりだったのかな。ルシアンの、ばぶちゃんからの愛がとても心地よくて、嬉しい。
出動するルシアンと部下のひとたちを見送れば、ルシアンの屋敷で丁寧にもてなされる時間。こんなに穏やかなことは久々だなぁ。
――――――――そして夕方になれば、他の仕事も片付けて来たと言うルシアンをお出迎えする。一応、俺を売ったバカ息子だが。アニマフィアの運営する穴蔵で逃亡できないようにされて借金を返すまで働かされるらしい。
まぁ、自業自得だからなぁ。俺は今、ルシアンと幸せに暮らしているから、別にどうでもいっか。
「ルル、ちゅーちゅ」
ばぶ期ではないけれど。ルシアンは今夜も雄ちちをねだってくる。そんなルシアンのためか、俺の雄ちちは今夜も準備万端だった。
「うん、もちろん」
笑顔で頷けば、早速とばかりにルシアンにより寝室へとお姫さま抱っこで連行される俺だった。
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