3.

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 突いても揺らしても、手の下に隠された唇から苦しげに小さな呻きが漏れるだけだ。形のよい彼自身は大きく腫れ、揺れるたびに透明な汁を飛ばしているのに。  陸奥の口の前にある左腕を掴み、そっと外してみる。口に押し付けられていた手の甲に、深い歯型がついていた。 「声を出さないように、躾けられたのか……?」  そう聞くと、陸奥は右腕で目を隠したまま顔を逸らした。唇を歪め、歯をくいしばって声を抑えている。俺は彼の右手首をとり、(はりつけ)にするように両手を敷布に押し付けた。  陸奥の赤く潤んだ目に睨まれ、嗜虐心が背筋を駆ける。 「そんな顔をしても無駄だ。()いんだろう?」  顔を隠せない陸奥が、感じる体を恥じるように固く目を閉じて首を振る。 「なら、自分で触ってみるか? こんなにして…… 」 「や……っ」  突かれるたびに揺れる彼の屹立を握れば、押さえのない口から拒絶の声が漏れる。陸奥は唇を震わせ、再び目を閉じ顔を横に逸らした。 「抑えなくていい。何も心配いらない、誰も聞いていない。雪が……声など消してくれる」  腕を離して、柔らかい頬をなでる。陸奥は泣きだす寸前の子どものように顔を歪め、一層強く唇を引き結んだ。  透明な蜜に濡れた彼のものを手筒でしごきながら、浅く、深く、ひくつく中の粘膜をゆっくりと擦り上げる。陸奥は必死で感じるまいとして、全身の筋肉を硬直させ震えていた。  なぜ、そんなにまで。  男娼ならば、感じてよく声を上げる方が客に好まれるはずだ。この美貌と妖艶な肉体で素直に喘げば、男色を嗜む華族の間で取り合いになるほどの人気が出ただろう。
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