3.

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 嗜虐心を煽るための演技には見えない。陸奥はまるで、まぐわいで快感を得るのが罪悪と感じているかのごとく頑なだった。 「あ……っ!」  腰の下に腕を入れ、少し浮かせる。そのまま浅いところを擦ったとき、わずかに開いた陸奥の唇からうわずった声が漏れた。口を押さえようとする手首を咄嗟に掴み、再び敷布に押し付ける。 「声を抑えるなと言っているだろう」  堪え切れずにあがった彼の喘ぎはひどく扇情的で、脅すような低い声音とは裏腹に、陸奥の中にいる俺のものは一層熱く滾った。  もっと聞きたい。  いまのは、どこだった?  あたかも暗い坑道で金塊か鉱石を探しているような、不思議な高揚に囚われる。俺は夢中になって、陸奥の一番感じる所を探って腰を揺らした。 「あ、んぅ……っ」  速く短い息の間に漏れる小さな喘ぎに、思わず口の端が上がる。声と連動して跳ねる体も、締めつけ絡みつく中の肉も、気を抜くと果てそうになる俺を容赦なく刺激してきた。  一度無理に寸止めしている陸奥の方が早いはずだ。  俺に抱かれて逐情する顔が見たい。その一心で耐えていた俺の目に、敷布に爪を立てていた彼の右手が、そろりと股間に伸びるのが見えた。  陸奥の手は自らを慰めるのかと思えば、その根元を強く握りしめている。必死に堪えても声があがるほどに感じていながら、まだ「粗相」を恐れている彼に、俺は疑問と憐れみを覚えた。 「出せるものは出せ。溜めると体に良くない」
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