プロローグ

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 鏡に映る自分を見て思う。そうだ、そろそろ美容院に行こう。 「髪は女の命、なんてね」  私は早速ネットで予約を入れることにした。 「カットとカラー、で」  カラーというか……まぁ、白髪染めだ。四十歳を過ぎてから急激に白髪が増えてきた。 「担当はもちろん棚橋(たなはし)翔太(しょうた)くん、と」  いつもの担当者を選んで予約完了。彼はこの美容室で一番人気のイケメン美容師だ。私は予約サイトに載っている彼の顔をしばらく見つめ、大きくため息をついた。今度こそ……伝えよう。
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