世界救いにいくんですからもう少し初期装備強くなりません?

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「呼んだ?」 「おお、ウォーリッシュ! 待っておった!」 「って、この男がウォーリッシュかいな。ほんまにふらっと来おったな。しかも遠慮もなく、ずかずか入って王様にタメ口たたけるとこ見ると色んな意味でただもんじゃないわ、この兄さん」 「何か唐突に()なあかんような気がしてな、来てみたんやけど」  そのガッシリとした体つきに似合わずウォーリッシュは人懐っこそうな笑みを浮かべて言った。 「さすがはウォーリッシュじゃ。探しにいく手間が省けて助かった。ウォーリッシュよ、早速だがこの勇者ローヒンはこれからキーングを倒しにいく。ただ見てのとおり、こやつはただの町人。特に取り立てて力があるのかないのかすらわからんが、とりあえず一人だと不安なので仲間が必要というわけじゃ」  勇者として半ば強引に旅立たせようとしている男に対し、散々な言いようである。ウォーリッシュはローヒンを見て心底、心配そうな表情を向ける。 「え、キーングを倒しにいくんかいな。あんたそら、無謀やで。もちろん行ったるわ。あんた見てたらちょっとしたモンスターにでもすぐやられてしまいそうやもんな」 「いや、あんたそら言い過ぎやで」  ローヒンは口ではそう言いながらもホッとしたのだった。 「何はともあれ、ひとまず安心ですね」 「おお。ローヒン、ウォーリッシュ。頼んだぞ」 「はい!」  こうしてローヒンたちの旅が始まった。 「ところであんた、そないなふわふわした格好で旅に出るつもりかいな?」 「え? あー!!」
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