第13章 蜀の国編~馬岱~

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こうなったら… 夏候覇「え?僕…?」 陽菜「道先案内人を夏候覇に変えます…」 馬岱「誰でも良いから真面目にしてよー」 はいはい…馬岱が泣きそうになってますので 真面目に致しましょう…。 A、馬岱に付いていく…。 采桜「私は貴女の妻です…。どこまでもお供致しますわ…。夫婦の商人ならば万一の時も疑われずに済むと思うので…」 馬岱は采桜の選択にため息をつきながらも、 馬岱「仕方ないな…なら、俺が守るよ…」 華和「あら?道先案内人は?」 物語の途中ではありますが道先案内人が… 夏候覇「僕はこの時蜀じゃないよー。」 …  … …  陽菜「馬岱もこの時点ではまだ馬騰軍の一員でございますが…本当に自由過ぎる案内人達で大変申し訳ありません…。」 馬岱「良いから真面目にしてー〈2回目〉」   はいはい…失礼を致しました…。 では…話を元に戻す事に致しまして… こうして…馬岱と采桜は… 馬岱「どう?俺、似合う?」 采桜「もちろんお似合いでございます…」 商人が着ている服を着て商人の振りをしながら…馬騰達の後を追い掛けました…。 … … …   しかし…曹操はかなり狡猾でございまして… 馬騰「騙したのか?献帝から朝廷に出仕せよとの知らせではなかったのか?」 曹操「儂を献帝と示し合わせて討ち取る腹だったのであろう…」 曹操の手には献帝からの密書が… 曹操「何々…馬騰、曹賊を討て!儂は賊ではない!董卓と同じ扱いをするでないわ!」 献帝よりの密書に曹賊と書かれた事がよっぽど腹立たしいようで終始ご機ナナメの曹操でございました…。 その昔、後漢帝国をわが物にしていた董卓の事を世の中は董賊と揶揄していました。 董賊と… 曹操「曹賊。ではないわ!馬鹿者!見せしめとしてこやつらを刑死させてくれるわ!さすれば帝とてもう儂に逆らうまい…」 … … …   こうして馬超を除く息子達は… 曹操により命を奪われてしまいました…。 曹操「儂は賊ではない!」 どうやら曹操、かなり気にしているので 曹賊だなんて言わないであげてね… 馬鉄「曹賊め…、必ずや兄上と馬岱が 我らの無念を晴らすから首を洗って 待っておれ…!」 曹操は先に馬騰の息子達を刑死させ、 馬騰に自らの死よりも苦しい想いを させようとしたのでございます…。 馬騰「子らを私よりも先立たせるとは…!」 さすがにあまりにも残忍過ぎる仕打ちに、 馬騰は地面を何度も拳で殴りつけ…馬騰の手は傷と泥だけになってしまいました…。 馬騰「お前だけは…絶対に呪ってやる…」 …ゾクッ…   普段は穏やかな馬騰が初めて他人に対して 憎悪を懐いた瞬間でございました…。 曹操「馬騰よ、 すぐ子らの元へ向かわせてやるわ!」 馬騰が曹操により絶望の淵を見せられてから 命を奪われてしまったまさにその頃、 馬岱と采桜は長安の近くに来ていました…。 馬岱「采桜…。叔父さん達が曹操に…」 采桜が食堂を探していた時、 ちょうど立てられた看板には… 〈馬騰を始めとする西涼軍、 丞相への反逆罪にて刑死。〉 さすがにこれには采桜も衝撃を 隠せませんでしたが… 采桜「馬岱様、 今は泣いている場合ではございませぬ…。 ここは敵地のお膝元で我らは丸腰です…。 今は逃げる事を1番としなくては…」 こうして馬岱と采桜は慌てて 西涼へと引き返したのでございます…。 こうして無事にたどり着いた2人でしたが 馬超は曹操の仕打ちを烈火の如く怒り… 弔い合戦のため挙兵したのでございます。 曹操「夏候淵…。行け!」   夏侯淵「合点承知!」 曹操は自分が行くまでもないと 夏侯淵に大軍を預け 西涼へと向かわせたのでございます…。 夏候淵「ただいま帰りました…」 夏候淵率いる大軍に ボロ負けした馬超と馬岱は… 馬岱「張魯に助けて貰いましょう…」 しかし張魯も一時は3人を受け入れたものの 張魯「馬超は儂を裏切る気ではないのか?」 疑心暗鬼となってしまったのでございます。 馬岱「馬超殿が裏切るはずがありません…」 馬岱が必死に説得を試みたのですが… 張魯「裏切らぬと言うなら人質を出せ。馬岱。そなたの妻である采桜などとても良いではないか?」 張魯からの言葉に馬岱の瞳は… 冷たく光りました…。 馬岱「どうして俺が…命を懸けて守ると決めた妻を差し出さなければならない?」 張魯「それが守って貰う人間の態度ですか!」 采桜「…私なら…」 采桜が2人を守ろうと 人身御供になる決意を固めると馬岱は… 馬岱「良いから黙っててくれるかな? 俺を悲しませる言葉を君の口に紡がせる訳にはいかないから…。」 こうして馬岱と馬超は采桜を守る為に、 劉備「よく来てくれたな…。 私の名前は劉備、字は玄徳だ…」 劉備へ降伏する道を選択しました。 しかし… 馬超「玄徳、宜しくな…」 … … …   関羽「無礼であろうが…!」 張飛「兄貴、こいつ成敗しても良いか!」 字は…簡単には呼んではなりません…。 許可があれば良いのですが…一存で呼ぶと… 関羽「待て、こら!」 張飛「帰順したばかりの奴が馴れ馴れしく 兄貴の名前を呼んでるんじゃねぇよ!」  このような事になってしまいますので、 扱いはくれぐれも慎重にお願いします。 で… …しばらく馬超が劉備の義兄弟2人により 追いかけ回されたのは言わずもがなである。 采桜「馬岱様、良いのですか? お助けしなくて…」 怒りのあまり耳まで真っ赤にしながら 馬超を追いかけ回す関羽と張飛。 采桜が慌てふためきながら問いましたが 馬岱はあくまで冷静な口調で… 馬岱「あれは馬超殿のミス…。 字は簡単に呼んではダメなの…」 馬岱は采桜のために行動しておりますので、 もしここで馬超を庇っても蜀に居づらくなるため… 馬岱「気が済むまで… 追い掛けさせるしかないよね?」 2人の気が済むまで馬超を追わせてあげる事にしましたが… 馬超「馬岱、 少しくらいは俺の心配をしろ!」 当の馬超は戦だけは天下無双ではありますが 自ら走るのは大の苦手でございます。 但し… 馬岱「自業自得ですよ?それに…  采桜を守ることが… 俺の優先順位の中で1番大切な 事柄ですから…。」 采桜「馬岱様…!」 馬岱「そんなに嬉しい?俺も采桜が嬉しそうに笑うととても嬉しい気分になるよ。」  
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