第13章 蜀の国編~馬岱~

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そんな仲の良すぎる2人の間には… 西暦214年に…馬桜(ばおう)…字は千寿。 という名前の可愛らしい女の子が 産まれました…。 馬岱「可愛いね…馬桜。 采桜に似ている気がするよ…。」 采桜「馬岱様…。私は幸せ者です… 愛しい夫と可愛い娘に恵まれて… 本当にいつも夢みたいな幸せを… 2人から貰っています…。」 采桜の言葉を聞いた馬岱は…   ほろり…   馬岱「嬉しすぎて涙が溢れるよ…。 采桜と馬桜は必ず俺が守り抜くからね…。」 馬超「馬岱、しかし…側室を持った方が良いのではないか?今の時代では誰しも2人以上妻を娶っているぞ。」   空気を読まないのが馬超の悪いところでございまして…良い雰囲気だった夫婦は… 采桜「まさか… 私以外に2人も妻を娶るのですか?」 一触即発な雰囲気となってしまいました。 馬岱「…何でいま、そんな話をするかな?」  馬岱が怒りに任せて馬超をしばらくの間、 追いかけ回したと言うことは言うまでもありません…。 馬超「どうして… 俺は皆に追いかけ回される?そうか…皆、 俺と鍛錬したいのだな…!」  … … … 筋金入りに鈍感な馬超にさすがの馬岱も… 馬岱「もう良い…」  ある程度追いかけ回していましたが、 見当違いな言葉を掛けられ… どうやら怒る気も失せたようでございます。 まぁ…馬岱と馬超の追いかけっこは、 俗にいうじゃれ合いみたいなものなので… 今すぐどうこうなるような問題でないため、 采桜「放っておきましょう…」 さて…時は流れに流れて… 西暦234年10月07日。 諸葛亮「…はぁ…」 馬岱が尊敬してやまない蜀の丞相である 諸葛亮は病の身体でありながら北伐をしておりましたので無理が祟り陣営で寝たきりになっておりました…。 馬岱「丞相、お身体の方は…?」 馬岱の傍らには、 20歳になった馬桜がおりました…。 諸葛亮「厳しいかも知れぬ…。だからこそそなたら2人を呼んだのだ…。魏延は私の死後、必ずや裏切るであろう…。馬超殿も逝かれたいま、魏延に匹敵する武を持つはそなた1人である…。蜀を助けて貰いたい…。」 馬岱「もちろんです…。俺と采桜…それに馬桜が今日まで命を繋いでこられたのは…蜀があればこそでございます…。」 馬岱の言葉に感極まった諸葛亮は、 最期の力を振り絞り…馬岱へ秘策を伝授したのでございます。 諸葛亮「私の人生において最期となる秘策です…。馬岱、蜀の命運を貴方に託します…」 馬岱「承りました…」 諸葛亮は馬岱に秘策を伝授した翌日、 病のため志半ばでこの世を去る事になってしまったのでございます…。 諸葛亮の跡を継いだのは… 魏延「俺!」 嘘つき魏延は放っておく事にしまして… 魏延「何だと!」 楊儀「全く作者の言うとおり嘘つきですね」 こちらの男性は…魏延と犬猿の仲である 楊儀(ようぎ)でございます。 諸葛亮亡き後、軍を統率するよう遺言されていた正式な諸葛亮の跡継ぎでございます…。 魏延「もう勘弁できん! 俺は好きにやらせて貰う…」 馬桜「私も 魏延様に付き従わせて頂きます…」 魏延の言葉に頷いたのはまさかの馬岱が 溺愛している愛娘の馬桜だったのです…。 馬岱「楊儀殿を裏切ってはいけないよ…。 でも…悲しいな…馬桜と道が別れてしまうなんて…」 馬岱は目を潤ませておりましたが、 魏延は馬桜を連れてその場を後にし、 楊儀「どういう事ですか?」  事態を飲み込めてない楊儀が、 事の次第を問うと馬岱は… 馬岱「丞相は魏延の裏切りを見越して我らに最期の秘策を授けてくださったのです…。魏延は我ら父子が必ずや倒します…」 それを聞いた楊儀は胸をなで下ろしました…
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