第13章 蜀の国編~馬岱~

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それから数日後のち… 諸葛亮の遺体は蜀で葬儀をするため、 漢中まで帰ってくる事が出来ましたが… 魏延「楊儀、 そなたを討ち俺は漢中王になる!」 かつての袁術みたいな事を言ってますが… その時、魏延の傍らにいる馬桜が城へ向かい弓を射たのでございます。 魏延「どうして文を付けた弓矢を射た?」   これにはさすがの魏延も気づいたようですが 馬桜は持ち前の社交術で誤魔化しました…。 馬桜「あれは父上に降伏を促したのです。」 それを聞いた魏延は満面の笑みを浮かべ… 魏延「馬岱が降伏してくれたなら千万の兵にも匹敵する戦力になるからな…」 まんざらでもないようでございますが、 馬桜が放った弓矢に付けられていた文には… 〈父上…、魏延は魏の国へ亡命するつもりのようでございます。例の作戦を実行する時が来ましたよ…。〉 馬岱『了解だよ…。 成長したね…お父さんは本当に嬉しいよ!』 馬岱は娘の成長に感極まって泣きそうになるのを必死に堪えながら… 馬岱「降伏しても良いのだが… 1つ条件があります…。」 馬岱は城の前にいる魏延と馬桜の前に出て このような事を口にしました…。 魏延「条件とは何だ?」 馬岱「俺を殺せる奴はいないと 4回言えたら降伏する事にします…。」 魏延「よし。」 馬岱のような勇猛果敢な武将が降伏するならばこれくらい朝飯前だと思った魏延は… 魏延「俺を殺せる奴はいない!俺を殺せる奴はいない!俺を殺せる奴はいない…」 3回繰り返したところで… 馬桜・馬岱「我ら、 父子に倒せない敵などいない!」 馬桜と馬岱により 討ち取られてしまいました…。 馬桜「これにて蜀は守られましたね…。」 馬岱「そうだね…。帰って母さんに俺たち父子の武勇伝を伝える事にしょうか?」 しかし… 采桜「20歳になったばかりの娘に危ない橋を渡らせるなんて貴方は何を考えているの?」  …それからしばらく馬岱は… 采桜の長いお説教を食らう事になってしまったのでございました…。 馬岱「とほほ…」 これも愛ゆえでございます…。 采桜「2人共無事で本当に良かった…。」 馬岱の物語、これにて終了でございます。
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