第14章 蜀の国編~関平~

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第14章 蜀の国編~関平~

関平「拙者の話など…良いのだろうか?」   陽菜「恐縮してないで…宜しくね…。 趙雲出そうかと思ったんだけど…趙雲のドラマは結構あるから…頑張ってね…長兄…」 関平「プレッシャーとやらで…震えが止まらんと言うことはまだ精進が足らぬという事か…?」   さて…プレッシャーに弱い関家の長兄・関平ですが関羽とは血は繋がっておりません…。 しかし…養父である関羽に最期まで付き従うその姿勢に陽菜はキュンとしましたので蜀、3番目の物語は関平でいきます。   趙雲「私を出してはくれないのか?」 趙雲は…今回出しません…ゴメンね… 4番目に出すのは… 魏延「俺か?」   誰が出すか!?…失礼しました。 お言葉の使い方が悪うございました…。  張苞「俺か?」  ん?考えとく…。で、誰を出そうかな? では…話を元に戻しまして関平の物語 スタートでございます。 時は西暦194年 徐州 曹操「父上の仇は必ず討つ!」 父を陶謙の部下である 兵士達に殺された曹操。 その怒りは留まる事を 知りませんでした…。 陶謙「このままでは徐州が滅びる…」 これを危惧した陶謙は劉備、公孫攅などに助けを求めますが曹操に逆らうのを恐れた諸将達は援軍を派遣しませんでした…。 この2人を除いては… 趙雲「主に志願し今回徐州を救援する事になりました趙雲です。」 劉備「我らの力で曹操を倒そう…!」 趙雲「はい!」 しかし… 曹操「劉備め!少数の兵でこの儂に勝てると思うたのがそもそもの間違えよ!」 … …   … 曹操軍は…強く…劉備はあっという間に 義兄弟や支援を買って出てくれた趙雲とも 離ればなれになってしまいました… 劉備「困ったな…」 宛てもなくさ迷う劉備の前に現れたのが… 関平「どうなさいました?もしや貴方様は劉備様ではございませんか?」 西暦178年に産まれた18歳の関平でした。 劉備「いかにも…私が劉備だが…」 劉備が答えると関平は… 関平「やはり…張飛様と関羽様は我が家でおくつろぎになられておいでにございます。」 劉備「そうか…それなら良かった…」 劉備が関平の招きで関定の屋敷に入ると… 張飛「兄貴、御無事で何よりだぜ!」 関羽「本当に御無事で何よりにござる!」 劉備「お前達、無事で良かった…」 感動の再会を果たし幸せそうな3兄弟を優しい眼差しで見つめていた関定は… 関定「関羽殿、 私の息子を養子にして下さらんか?」 突然酒を呑みながら義兄弟と談笑している 関羽に対してこのような事を口走りました… 関羽「…しかし…」 劉備「良いではないか?我らも義兄弟ではあるが絆の強さは本物の兄弟になど負けん…。だからこそ関羽と関平ならば…血筋を越えた確かな絆を結べるのではないか?」 劉備に説得された関羽は、 関平を養子に迎えました…。 関羽「うむ、息子よ。 これからよろしく頼む。」 関平「はい…」 すると…そこに… 趙雲「…劉備殿、 御無事でございましたか?」 何の因果か分かりませんが趙雲もまた、 関定の屋敷にたどり着いたのでございます。   劉備「趙雲殿も御無事で何より…」   趙雲「有難き御言葉にございます。」 劉備と軽く言葉を交わした趙雲は… 関羽の隣に立つ若武者に注目していました。 趙雲「貴方様は…」 関平「拙者は関定の実子で関羽殿の養子になりました関平と申します。」 趙雲「礼儀正しいお方ですね…」 関定・関羽「有難き御言葉痛み入りまする。」 関羽と関定が関平を褒められた事に対して 同時に深々と頭を下げますと趙雲は… 趙雲「私にも今年16歳になる娘がおりますがなかなか負けん気の強い娘でございまして…もし劉備殿に仕官叶いましたなら是非関平殿の室にお迎え頂きたく存じます…。」 関平「拙者で宜しければお受けします。」 趙雲「有難い…。かなりのじゃじゃ馬娘で 自分より弱き男とは祝言を挙げぬと申して妻と共に頭を抱えていたところでございます。」 時は流れて西暦200年、 趙雲が劉備の配下になった時、 娘を関平に嫁がせると誓ったあの約束は、 未だに果たされず関平は24歳となりました… 関羽「関平よ、いつ果たされるか分からぬ約束を待つよりも嫁を迎えてはどうだ?」 養父の関羽からは…先の分からない世の中だからこそ早く嫁を迎えて跡継ぎを授からなければ…と祝言を急かされてはおりますが…。 関平「趙雲殿は武人でございますから必ずや約束を果たして下さるはずでございます。」 関平は1度交わした約束を趙雲が反故にするはずがないと果たされる日を待ち続けておりました。 すると… 趙雲「劉備様は… おいでにございましょうや?」 なんと…趙雲が家族を連れて劉備の元へ帰順したのでございます。 劉備「趙雲殿、 公孫賛殿の件は残念でございましたな…」 西暦199年、趙雲が仕える公孫賛は 袁紹に負けてしまい無念の戦死を遂げたのでございました。 趙雲「主は忠義に厚く心お優しきお方にございました。本当に惜しい人物を亡くしたものでございます。」 すると… 関羽「趙雲殿、関平とのお約束覚えておいででしょうな…?」 関羽が趙雲にあの約束の事を切り出すと… 趙雲「無論にございます。趙姫。」   趙姫(ちょうき)…趙雲の娘で、 字は湖巡(こじゅん)といい年齢は… 関平より2つ下にございます。 趙姫「…」 関平「趙姫殿、拙者関羽の養子で関平と申す。宜しくお願い致す…。」   趙姫「だから…なに?」 … …  … 趙雲「趙姫!無礼ではないか?」   …  … … 趙姫「私はもっと強い人が好きなの…」 … … … 趙雲「はぁー、どこを間違えてこんな娘になったのやら…関羽殿、関平殿、度々に及ぶ失礼お許し下さい…。」 関羽「良いではないか? 我が娘銀屏とよく似ておる…。女性もこの時代だからこそ強くあらねばならん…」  関羽は嬉しそうにしていましたが… 趙雲は頭を抱えておりました…。 趙雲「趙姫を産んだ母は産後の肥立ちが悪く亡くなってしまったので…後添いである春泉(しゅせん)が育てたのですが何せ反発心が強くてこんな子になってしまいました…」  趙雲の後ろで春泉は俯いておりました。  趙姫「こんな子って失礼ですわ。父上…」 趙雲「お前が1番無礼だ!」  … こうして趙姫は不本意ながら関平の妻になりましたがこれが祝言を挙げて見ると意外に相性が合うようでございまして… 関平「趙姫…」 趙姫「…関平様…。」 最初は嫌々だった趙姫もどうやら… 趙姫「…父上の目に 狂いはありませんでしたね…。」 どうやら…関平の真面目さに惹かれたようですが相変わらず口の利き方はなっておらず… 趙雲「だから… いつもいつも無礼なんだ、お前は!」   いつもいつも趙雲よりお説教をされる事に なるのでございました…。     
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