第14章 蜀の国編~関平~

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2人の間には関樾(かんえつ)という名前の子どもも産まれ幸せに暮らしておりました…。 そう、西暦219年までは… 西暦219年、関樾が17歳になったこの年、 関平は41歳、趙姫は39歳となったのですが以前より同盟関係にあった呉との関係が悪化してしまったのでございます。 なので… 関羽と関平が魏の武将である曹仁と満寵が 守る樊城を攻めるとなんと援軍として呉軍が 来てしまったり… そもそも…元々呉の大都督であった周瑜が曹仁を打倒して得た荊州だったのですがごっそり蜀に取られてしまったのでございます。 なので… 周瑜は失意の内に憤死してしまいその仇を討つために呉軍は魏軍と手を結びました。 孫権「周瑜、仇は必ず取るからな…」 この弔い合戦の指揮を任されたのが… 呂蒙と陸遜でございました。 呂蒙達は伏兵として林に隠れて関羽達が敗走するのを待っておりましたがそうとも知らず関羽達は龐徳を討ち取り于禁を捕らえます… 続いて援軍として駆けつけたのは… 関羽「徐晃ではないか?」 張遼と並び関羽の友である徐晃でした…。 徐晃「今は国家の危機、私情は挟まぬ…」 … こうして関羽と関平は敗走し、 伏兵として隠れていた呂蒙と陸遜により 捕らえられたのでございました…。 孫権「関羽、関平、私に仕えぬか?」 孫権の前まで連れて行かれた関羽と関平は… 関羽「儂は龐徳と同じく国家に殉ずる…」 関平「俺もです…」 こうして2人は国家の為に殉じ趙雲からその知らせを聞いた趙姫は関樾と共に隠れ住む事を選んだのでございました。 趙姫「…貴方…」 いつも趙姫の前を歩いていた関平は… 関平「すまぬ…趙姫、先に逝く。」  趙姫よりも随分早く逝ってしまいました…。 趙姫「…どうして…?」  趙姫は悲しくて仕方ありませんでしたが、 関樾「母上…。 今は関家の血を守る事のみ考えませんか?」 関平によく似た微笑みを浮かべた関樾に 関平の面影を重ね合わせておりました…。 誰より優しくて誰より信義に厚く… 2人の父親を大切にしていた夫の事を… 趙姫「そうね…、今はこの血筋を後世へと繋ぐことを考えなければ…」 … こうして趙姫の賢明な判断により関平の一族は後世へと血筋を繋ぐ事が出来ましたが… 関平の義弟である関興の一族は… 龐会「絶対に許さぬ!」 蜀が滅亡し国が混乱していた頃合いを見計らった龐会により討たれてしまいました…。 龐会(ほうかい)は…樊城の戦いの折、 関羽からその武を見込まれて降伏するように 言われたのですが忠義に殉じる道を選び命を落とした龐徳の息子でございます。 趙姫「まさか…こんな事になるなんて…」 本当に趙姫の賢明な判断により関家は 族滅を免れたのでございます。 ※この物語では関平を関羽の養子扱いとしておりますが実子となっている史実もありまして…何が言いたいかと言いますと関羽と関平の関係については…諸説あります。※
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