第15章 蜀の国編~関銀屏~

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第15章 蜀の国編~関銀屏~

西暦208年 関羽に娘が産まれました…。 関羽「娘はやはり可愛い…」 息子ばかりの関羽は初めて出来た娘に… まさしくメロメロ状態でございました。 関平「可愛らしいですね…銀屏。」 趙姫「本当に…」 歳の離れた義兄である関平は30歳。 その妻である趙姫は28歳。 血の繋がった兄である関興は4歳。 皆が待ち焦がれていた 娘の誕生でございました。 …ちなみにこの銀屏(ぎんぺい)。 誰が付けたかと申しますと…   張飛「良い名前だろ?」 はい、関羽の義弟である張飛でございます。 張飛の息子である張苞は6歳。 張苞の妹である張友釐(ゆうりん)と 張月䋝《げつえい》は関興と同じく4歳の双子 … …   … 皆に溺愛されて育った銀屏は… 父親である関羽、義兄である関平、 実兄である関興から手解きを受け… 驚くべき程の武芸を身につけました…。   周倉「お嬢様…なかなかに…お強い!」 その強さは…関羽の従者である周倉を唸らせる程でございました。 武に対して自信があった銀屏でしたが、 なかなか向上心も強く… 趙雲「弟子入りしたい…?」 その師匠は義兄・関平の妻である 趙姫の父親・趙雲でございます。 銀屏「精進あるのみ…」 そんな銀屏でしたが見目麗しく… 武勇にも秀でていた彼女を見初める男性は… たくさんいたのでございます。 しかし…彼女の願いは… 銀屏「やっぱり共に戦場を駆けたい…。 そして…愛する人を守りたい…。」 … …  … そんな銀屏の夫となったのは、 張苞「お前は絶対に俺が守るから…」 張飛の息子である張苞でございました。 銀屏「ありがとう…」 張苞は不器用な性格ではありましたが、 張苞「…道に華が咲いていたから…」 銀屏を喜ばせようと色んな方々を試す 優しい夫でございましたが…   西暦219年 銀屏「父上と義兄上(あにうえ)が亡くなったのはまことでございますか?」 銀屏と張苞夫妻の元に届いた悲報…。 それは…関羽と関平が討たれたという 知らせでございました…。 銀屏「…父上…義兄上…」 銀屏は毎日毎日泣き崩れていました…。 張苞「元気出せよ…なんて 言っても出せるはずがないよな…」 … 銀屏も大変悲しんでおりましたが… それ以上に悲しんだのが張苞の父親である 張飛でございました。 張飛「どうしてこんな事に…」 夏侯姫「お止め下さい…。 お酒の吞みすぎですよ…?」 夏侯姫(かこうき)…夏侯淵の姪であり、 夏侯覇の従妹に当たるのだが森で森林浴をしていたら突然現れた張飛が見初めてしまい…無理矢理連れ去られて妻になりました…。 しかし…夫婦関係はそれ程悪い訳ではなく… 張苞と双子の妹がいる。 張飛は妻の制止も聞かず…   張飛「素振り1000回だ…!」 大酒を吞んだかと思えば部下に過酷な訓練を強いるようになりまして… 張飛の部下「もう、うんざりだ!」 あまりに酷いパワハラに堪えられなくなった 張飛の部下2人により西暦221年暗殺されてしまったのでございます。   張苞「親父!」 張苞が異変に気づいた時には… 張飛は既に死亡していたのでございます。 劉備「関羽に続いて張飛まで…」 こうして劉備は西暦221年、 献帝から帝位を譲り受けた?曹丕が 西暦220年大魏皇帝として即位したため、 対抗する為に蜀の皇帝になり…   魏を討つべく詔を出すのかと思いきや… その相手は何故が呉。 さすがにこれには… 諸葛亮「陛下、お待ち下され…」   趙雲「呉ではなく魏を叩くのが先決かと…」 諸葛亮を始めとした 忠臣達が口々に反対しましたが… 劉備は義兄弟及び 関平を喪った悲しみにより… 劉備「絶対に呉を滅ぼす…」 …   …   … 全く聞く耳を持ちませんでした。 … … … 一方その頃、 孫権も大変な目に遭っておりました。 孫権「何しに来た!」 まさにその通りで張飛を裏切り暗殺した元部下の2人が呉に降伏してきたのでございます… 孫権「こやつらを蜀へ送り帰せ!」 諸葛謹「畏まりました…」   諸葛謹が孫権の命により張飛の元部下達を 蜀へ送り帰すと…   張苞「父の無念、思い知れ!」 2人は張苞により討たれてしまいました…。 こうして…劉備と孫権の間で起きた夷陵の戦いは陸遜の大勝利に終わり…劉備は敗戦のショックにより病気となりまして… 劉備の跡を継いで蜀の皇帝になったのが… 劉禅「あんまり私を虐めないでくれ…」 誰も虐めてはおりませんが…と突っ込みたくなる程暗愚を極めた皇帝・劉禅でした。 皇帝が代替わりして3年が経った 西暦226年 張苞は突然命を落としてしまいました…。 それは…なんと… 子ども「誰か助けて~!」 庶民の子どもが山登りをしていた際、 足を滑らせ崖から落ちそうになったのを 助けたのですが… その代わりに自分が落ちてしまったので ございました。 張苞「わぁー!」 享年24。 あまりにも若すぎる死でございました…。 銀屏「どうして…こんな事に…」 銀屏のお腹には張苞の子が宿っていました…  
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