第17章 呉の国編~韓当~

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そんな誰からも素っ気ない態度を されている悲しい悲しい韓当が… 「誰か良い人…居ないかな…?」 などと探し続けていたところ… なんと… 程普「韓当、 儂の娘を妻にしてはくれんか?」 程普の娘である程 婁樊(るはん)は、 婁樊「私は結婚したくないの。 独りで生きるのが性格に合ってるの。」  この年で28歳になるのですが… 実は未亡人なのです…。 何故なら… 18歳の時に夫である祖茂を喪い… それからずっと独りで生きて来たからです。 そんな娘を案じた程普は、 程普「親の願いだ、独りで生きるよりも 誰かと寄り添って生きた方が幸せだと思うんじゃ…。2度目故に贅沢は言わん…。」 婁樊の事を案ずるあまり…本人の意向も聞かずに韓当にほぼ無理矢理嫁がせる事を決めてしまったのでございます。 婁樊はこれにより韓当の妻にはなりましたが自らの意向など全く聞かず勝手にかなり歳の離れた殿方に嫁がされてしまえば頑なな性格にもなってしまうものでございます。 韓当「婁樊…。出てきてくれないか?」 嫁いで来たものの自らの居室に閉じこもり なかなか出ようとはしませんでした…。 婁樊「私は祖茂様を忘れられないの…」 まだ西暦190年に死んだ前夫である祖茂の事を忘れられずにいるようでございました。 韓当『困ったな…。これでは…所帯を持った意味がないじゃないか?』 韓当はとても…悩んでしまいました…。 生きている人は死んだ人には勝てません…。 ましてや祖茂と言えば… 時は遡ること今より 10年前の西暦190年のこと。 祖茂「孫堅様、お逃げ下さい…」 孫堅軍は味方であるはずなのに… 袁術の策略で兵糧を止められた事により… 董卓の配下である華雄によりフルボッコに されてしまったのでございました。 孫堅「祖茂、逃げろと言っても… 俺の兜は…」 孫堅が気に入って被っている兜は、 赤いフェルトの付いているとても目立つ 兜でございましたので…   董卓軍「赤いフェルトの 付いている兜を被っているのが孫堅だ…!」 追っ手の兵士達はそれこそ赤いフェルトが付いている兜目掛けて突っ込んできそうな勢いでございます。 すると… 祖茂「逃げて下さい。孫堅様。」 祖茂は自分の兜を孫堅に被せ、 孫堅の赤いフェルトの付いている兜を 被ったのでございます。 そして… 祖茂「我こそは長沙太守孫堅なり…!」 大きな声で叫び… 敵兵を全て引き受けたのでございます。 孫堅「祖茂…。」  孫堅は泣きながら… 命からがら退却しました。 これにより祖茂は、 華雄に討たれてしまいましたが… 董卓「バカタレ!これは孫堅の配下で… 孫堅ではないわ!こんの…大馬鹿者!」 祖茂が赤いフェルトの付いている兜を 被っていた為、華雄は孫堅を討ち取ったと 思い込んで… 華雄「董白嬢が元服を迎えたら ご褒美に嫁に下さい。」などとお願いした為、 董卓「バカタレに… 何で孫をやらねばならん?」  しばらく叱り飛ばされたのは、 言うまでもない事でございました。
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