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カーテンを開けると、明るい陽ざしが部屋を満たした。
時刻は、まだ朝の七時半。
家の前を学校に急ぐ子供たちが元気に通り過ぎていく。
笑いながら駆けていく小学生もいれば、あくびをしながら歩く中学生もいる。
その平和な日常の光景を見て、僕は小さくため息をついた。
「ああ、学校か……」
中学校生活が始まって、すでに四か月。
だけど僕は今、学校にはまったく行っていない。フリースクールに通っているわけでもなく、毎日家でゴロゴロする生活が続いている。
いわゆる引きこもりのような状態なのだ。
僕が学校に行かなくなった理由は、いじめだった。
同じクラスの男子数名が、最初はからかう程度のことをしてきたが、少しずつエスカレートしていって、最終的には、ひどい暴力を振るうようになったのだ。
体の小さい僕は力では勝ち目がなく、あいつらに会うのが苦痛で学校を休み始めた。
お母さんとお父さんはひどく心配して、どうして学校に行かないのかと何度か質問してきたけど、僕はあいまいに答えて、本当のことを話さなかった。
それでも無理やり学校に行かせるようなことがなかったのは、幸いだったといえる。
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