知性の雫

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 翌日、朗読の時間になると、男は昨日のおさらいを兼ねて一緒に読んでみたいと女に頼んだ。それは素晴らしいと女も同意して昨日の分をふたりで朗読した。何とか一日で朗読し終えた。  それからは、まず女が一頁朗読し、続いてふたりで朗読するというスタイルで読み進んでいった。  高校三年の教科書を読み終えると、男は次に源氏物語を読みたいと女に頼んだ。女は微笑みながら、与謝野晶子による口語訳を男に手渡した。朗読するだけで五十数時間かかる分量である。男の眼が輝く。
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