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「みたらしだんごだ」 「ありがとね」 「あとどれくらいでできるのか?」 「うーん、月が半分欠けたら」 「一週間ってことか…」 一週間後はちょうど新月だな。 「月はね神聖な光を持ってる」 急に少年がしゃべりだす。 「僕はお月様の力には勝てないから、その日を選んだ」 「俺にはよくわからない話だから頼んだ」 「おにーさん、どうなっても知らないよ」 「娘に会えるなら、それだけでいい」 「愛って、怖いね」 そう言って少年は消えていった。 〜〜〜 「ついに、か」 階段を上った先に、少年はいた。 ニヤリと笑っていた。 「さあ、来て来て。僕の作った扉を見せてあげる。」 白い円があり、人一人が中に入れそうな大きさだ。 これが、扉? 「現世と黄泉を繋げる扉が開いてるのは月と日がない時間だけだからね」 「そうなのか」 「じゃあ、いってらっしゃーい!」 いきなり背中を押されてその白い円に落とされた。 いくらなんでも心の準備というものを考慮してはくれないのか! 円を抜けた先には禍々しい雰囲気の世界が続いていた。 とりあえず手当たり次第歩いてみよう。 娘に会える。 絶対。必ず。確実に。
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