おまけ

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「なんで、叔父さんまで……」 五年前には従姉妹が死んで、今日の葬式は叔父さんの。 あんまり深い関係ではなかったけど、命がなくなるのよ。 悲しいものじゃない。 「ああ、真一はぶっきらぼうな顔で死んだのね」 母のその言葉で私は叔父の顔を見た。 確かに笑ってるわけでも悲しんでるわけでも無表情でもない。 ちょっと怒ってるように見える。 「結由ちゃんはとても嬉しそうだったわ。あんなに笑顔な遺体なんてこの先見るのかしら……。」 その母の言葉で従姉妹の顔を思い出す。 白いワンピースを着た結由ちゃん。 笑ってたっけ……。 「あなたは簡単に死なないでちょうだい」 「母さん?」 「私より若い子の葬式なんてもうごめんだわ」 そう言って去っていく。 私はぼんやりとその後ろ姿を眺めながら、誠に連絡する。 すぐに返事が来る。 やっぱり付き合うならこういう男でなくっちゃ。 「ねぇ、ママ知らない?」 まだあどけなさの残る少年が現れる。 こんな子親戚には知らないけど、誰かしら? 「知らないわ。お母さんの名前言える?」 「わかんない」 「わかんないか〜」 私は内心ため息をつきながら、他の人に任せることにした。 その時、少年は言った。 「ちゃんとしてなきゃダメだよ」 その瞬間、煙の匂いがする。 少年はいない。 私は叫びながら外へと向かう。 でも、後ろから迫ってくる人、人、人。 恐怖と一緒に炎が全てを飲み尽くした。
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