第9話「第四の事件」

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だからこそ…ベルゼは最初にこのロンドンタウンに来た時に不審に感じた訳である。その為…普段は許さないあみかの任務外の行動も大目に見て「ミニゲーム」に参加していた訳である。ベルゼはそこまで話すと…タバコに火を付けてフゥーっと息を吐いた。そして…ぎしに向かってこう言い放つっ!!!? ベルゼ「何処のどいつだか知らねえが…ただ許せねぇんだっ!!?死んだダチのアカウントを乗っ取ってやがるクソ野郎もそれを容認してるこの世界もなっ!!?」そう話すベルゼの目は何処か悲しげでおぼろげな雰囲気を漂わせていた。 そしてこれから待ち受ける「試練」を嘲笑う様にロンドンタウンに吹き荒れる風はベルゼたちの頬を掠めていく。死んだ親友の面影を見つめてただ困惑するベルゼは…今にして思えばこの時に既に壊れていたのかもしれない。 時計の秒針が巻き戻るように見えてくる情景は…ベルゼの心を飲み込んでゆっくりと侵食していく。それに巻き込まれる様に…音羽とぎしも複雑に絡んでいき待ち受ける試練の前に彼らはただ立ち尽くした。数百年前に切り裂きジャックが眺めていたその景色はゆっくりと確実にベルゼの心に溶け合って混ざりあっていく。まるで…空虚な心に闇が彩るように黒く染まるそれは…ベルゼという男の心を飲み込むには充分な程だった。 後に…彼らはこう語っている。あの時…彼を止めていればあの事件は起きなかったかもしれないと。 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪                   END ルピシア・ローズ事件の被疑者の1人だった…ネルサン・エリスのアバターを使う何者かは…ベルゼの視線に気付いていた。そして…ベルゼもまたその事を知っていた。そうしてる間にもミニゲームは進んでいき次週「覚悟」「第10話へ続く」
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