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染める
染めた自分の髪は どこか他人に見えた
自分なのに 自分じゃない
浮遊感が 目の前に広がるよう
麗しくはない 美しくもない
染めた自分の髪は 誰がみても傷ついていた
気づかないようで気づいて欲しいと
自己アピールするように 染め広がる
こんな姿 どうしてそうなったのか
いまだわからずじまい
こんな姿 どうしても受け入れがたくて
染め直したい気分
髪の色を変えただけで 自分を無くしてしまう
アイデンティティの欠如よりは被害最小限
髪の色は茶色 黄色も赤色も良かったが
気分が乗らなかったから 茶色に染めた
そんな自分に 何故か 憂いさだけを感じる
憂いさって意味はいまだ理解できないけど
染めてしまったら また戻せばいい
好きな色に変えてしまえば 大丈夫
髪の痛みは抜かないけど 傷みばかりだけど
ぬかるんでいる 沼に落ちている
染めるのは容易い だけど 気分が悪い
お金もかかるし 時間もかかる
何より 生まれ変わる心地に飢えている
変わって 変わりたい 変わって 変わりたい
しかし 変わらない 変えても 変わらない
ジレンマばかりが渦を巻いて 頭皮を刺激する
染めた自分の髪は どこか他人に見えた
自分なのに 自分じゃない
浮遊感が 目の前に広がるよう
麗しくはない 美しくもない
綺麗じゃない むしろ 痛々しい
茶色の髪は 何故か 自分の心を表していた
そんな気がする そんな気がした
染めただけで 悩むなんて
意気地なし極まりない
黒に戻すか? 多分 多分 多分
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