悩めるライアー

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悩めるライアー

嘘が上手くなるほど 自分から自分が離れていく 嘘が上手くなるほど 自分で自分が見えなくなる 優しくないよ 愛ある人じゃないよ 保身するため嘘をついて 逃げるために嘘をついて 本当の私は 私自身が閉じ込めてしまった 牢から抜け出したいと泣いている 可哀想な囚われのお姫様 助けてあげると言ったのに 私はそれも嘘にした すすり泣きが聞こえるのに 見て見ぬふりで目を逸らした 私を愛してくれる人にも 私はすぐに嘘をつく ごめんね いつの間にか 嘘しかつけなくなってしまった だから誰かに騙されても その引き金を引いたのは私 悲しがる理由はない 苦しくなる理由もない だって嘘しかつけないから 傷を感じても それも嘘 本当の私はどこにいるんだろう 牢の中のお姫様は そんな私を憎んでいる 自分自身に愛想つかされて なんでまだ嘘ばかり繰り返すの この感情もきっと嘘だよね 私は私が分からなくなって 途方に暮れる 初めてついたあの嘘を 取り消すことができたなら この状況にはならなかった 悔いても仕方ないけれど 自分に嘘つく愚か者 自分自身を騙して 私はいったいどうしたいの
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