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「……それ……どうやって手に入れた?」
護符を指さすリュオンの手は震えている。
「一か月くらい前かしら。酔った女性を介抱したときにお礼として貰ったの」
「……。……できればもっと早く言って欲しかった……」
頭痛でも覚えたのか、リュオンは左手で頭を抱えている。
「どうして? この護符が何か知ってるの?」
「それは護符じゃない、魔法を発動させるための巻物だ。魔力がない人間でも扱えるよう特殊な巻物に自分の魔力を編み込んで、自分の血で魔法陣を描き、その血を媒介にして自分を召喚させる――そんなふざけた真似ができる魔女が世界に二人もいて堪るか。間違いない。それを渡したのはドロシー・ユーグレースだ」
「えええええ!!? アマンダさんがドロシーだったの!?」
素っ頓狂な声で叫んでしまう。
ノエル様も目を見開いて硬直していた。
「……これがあれば、兄さんに変身魔法をかけたドロシーを召喚できる? つまり――」
「ああ、ユーリにかけられた魔法が解けるってことだ!! 急いで帰るぞ!!」
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