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こちらを見て、彼は驚いたようにその目を大きくした。
長身に纏うのは仕立ての良い上等な濃紺のローブ。
茶色にたっぷり灰色を混ぜたような美しいサンディ・ブロンド。
深い海を思わせる紺碧の瞳。
その青い虹彩に金色の環――通称《魔力環》が浮かんでいるのを見て、私もまた驚きに目を見張った。
――私や妹と同じ魔女なんだ、この人。
魔女とは魔力を持った者の総称。
遠い昔、創造神オルガは「相互扶助の精神を持って、良き隣人となりなさい」と唱えて人間と魔女を作ったという。
混血を繰り返すうちに女性だけではなく男性の魔女も生まれるようになったけれど、男性の魔女は非常に珍しい。
私自身、人生で男性の魔女に会ったのはこれで二回目だ。
偶然にも、初めて男性――正確には年端も行かない男の子の魔女に会ったのは八年前、このロドリー王国の王都でのことだった。
男性の魔女の魔力は大抵が平均値を保つ女性に比べて極端に高いか低いかのどちらかだ。
視線を落として確認してみれば、彼が首に下げている金のペンダントは魔女の最高位『大魔導師』を表していた。
「…………!!」
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