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年齢は十歳前後。
長い髪は三つ編みにして顔の両側に垂らし、愛嬌のある顔にはそばかすが散っている。
くりっとした大きな瞳は闇に灯る篝火のようなオレンジ。
華奢な身体に纏うのは緑と黒の縦縞模様のワンピースだった。
「ああ。お前のせいで困ってるんだよ、ドロシー・ユーグレース」
「ありゃっ? やだなー、お兄さん、ドロシーって誰のこと? あたしメグっていうんだけど?」
少女は左手の人差し指を顎につけ、可愛らしく小首を傾げた。
「とぼけるな。自分を召喚するための召喚魔法を巻物に保存できる魔女なんてお前以外にいるわけがない――」
「リュオン、待って。落ち着いて。ユーリ様の魔法を解きたくて焦る気持ちはわかるけれど、脅すような言い方をしたら駄目よ。それではメグさんも機嫌を損ねて帰ってしまいかねないわ。お願いをしたいなら、誠意を示さないと」
私はリュオンを嗜めて、メグと名乗った少女の前で屈んだ。目線を合わせて言う。
「こんにちは、メグさん……でいいのかしら? 私に巻物をくれたのはアマンダさんという女性だったのだけれど」
「あーそっか、アマンダさんだったか。こりゃうっかり。アマンダさんのほうがいいならアマンダさんに変身するよ?」
少女はこともなげに言って肩を竦めた。
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