06:輝きに満ちた未来

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 強烈な光によって奪われた視界が戻らず、何が何だかわからないうちに首に痛みが走った。  どうやらドロシーが後ろに回り込み、私の首筋を抉るように強く指を押し当てている、らしい。  振り向いて確かめることはできなかった。  身体が動かせない。  草原に座り込んだ姿勢のまま、私の身体は石像のように固まっていた。  徐々に視界が回復して現実を映し出す。  ノエル様やユリウス様にも私と同じ異常が起きているようだった。  動こうとしても一切身体に力が入らず、声も出せず、座った状態で悔しそうにドロシーを睨んでいる。  唯一目線を動かすことだけはできたため、辺りを見回したがリュオンがいない。  彼はどこに行ったのか。激しい不安と恐怖で押し潰されてしまいそうだ。  どうか、どうか、無事でいて。私は心の底から祈った。   「――セラを放せ」  草で覆われた大地を踏む足音の後で、怒りに満ちた低い声が聞こえた。  ほっとしたのも束の間、視界内に戻ってきた彼の姿を見て、声にならない悲鳴が喉から迸る。  リュオンは身体中傷だらけで、見慣れた濃紺のローブもあちこちが裂けて変色していた。  彼の額からは一筋の血が流れている。  赤い血は右目に入り、頬を伝っているが、リュオンは私の背後――ドロシーを射殺すような目で睨むばかり。もしかしたら怪我をしている自覚すらないのかもしれない。
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