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「試すような真似をして悪かったわ、謝る!! あたしはただあんたの覚悟を確かめたかっただけなのよ!! 適当に一発食らったらセラを返すつもりだったんだって!! ほら、みんな解放するから!!」
ドロシーが私を一瞥した途端に、光の膜と全身にかかっていた重圧が消え去った。
ノエル様もユリウス様も同様に呪縛を解かれて動き出す。
瞬間移動したとしか思えない速さでドロシーに迫ったノエル様は容赦なく彼女を蹴倒し、その首筋に刃を突きつけた。
「これだけのことをしてくれたんだ。覚悟はできてるんだろうな」
普段とは違う口調で告げるノエル様の声は、視線は、凍えるほどに冷たい。
次に魔法を使うそぶりを見せれば殺す。それは噴き出すほどの怒気が雄弁に語っていた。
「あーもうごめんってばぁ!! どーせ死なないから刺してもいいけどさぁ!! 報復とかお説教は後にして、いまはあっち、あの子をどうにかして!! このままじゃ本当に死んじゃうって!! セラ、止めてお願い!!」
頼まれるまでもなく、私は地面を蹴って駆け出した。
「リュオン、止めろ!! セラは無事だ!!」
ユリウス様が叫ぶ。
「リュオン、待って、止めて!!」
私も走りながら叫んだけれど、彼の耳には届いていないようだった。
「一の贄/二の狂気/三の潰滅/四の災厄……十三の環は巡り廻りて自律せよ」
リュオンの周囲にいくつもいくつも赤い魔法陣が生まれて回転を始める。
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