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親しかった侍女たちの顔を思い浮かべて、心から言う。
「放ってはおけないからな」
リュオンは微笑み、それからしばらく会話が途切れた。
お昼時の『蝶々亭』はほとんど満席で、客のお喋りが止むことない。
意地悪な義母の話。流行のドレスの話。南の交易都市からラスファルに向かう途中で遭遇した巨大な魔獣の話。子どもの高い笑い声。
耳に入り込んでくるそれらを聞くともなしに聞きながら、私は皿に残っていた料理全てを平らげた。
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