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「まあ。セレスティアには随分と特殊な性癖があったのね。奪われるのがお好みだったとは予想外」
「しっ、声が大きいわ。聞こえてしまうわよ?」
クスクスと笑い声が聞こえる。
彼女たちのように声に出さずとも、この場にいる全員の嘲笑を肌で感じていた。
この国にいる限り、私は永遠に社交界の笑い者になるのだろう。
美しく有能な妹に婚約者の王子を奪われた可哀想な姉だと。
私は仮面のような笑顔を貼り付けて妹たちに拍手を送りながら決意した。
――パレードが終わったら家も国も捨てよう。
全てを捨てて、この身一つで幸せになってみせる。
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