766人が本棚に入れています
本棚に追加
それから、バーベイン様と、ギムレット様と、宰相と、ええとあの人は――名前は確かアドルフ・ネルバ大公爵だっけ。ルカ様の叔父さん。
「貴様――」
バーベイン様は私の手の中にある割れた王妃の肖像画を見て、怒り心頭の様子だったけれど。
「ああああああああああ――!!!」
プリムの大絶叫がギャラリーに鳴り響き、バーベイン様の怒号を打ち消した。
思わず全員が身を竦めて耳を塞ぐ。
何事かとプリムを見れば、プリムは怒りの形相でアドルフ・ネルバ大公爵を指さしていた。
「見つけたわ、こいつよノクスに呪術をかけて殺そうとしたクソ野郎!! 気持ち悪ッ、呪術のせいで存在が変質して人間じゃなくなってるじゃないの!! なんでみんな平気な顔してそいつの傍にいるのよ!? 信じられない!!」
明かされた犯人の正体に驚く暇もなく、プリムは続いてバーベイン様を指さした。
「あんた!! 一番偉そうだからあんたが国王でしょ、そうでしょ!?」
「そうだけどプリム、国王陛下を指さしたらダメ――」
諫めようとした声は、またしてもプリムが掻き消した。
最初のコメントを投稿しよう!