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「なるほどって、おまえ。やっぱり売ってるんだな」
「え…あ」
しまった。口が滑ったと後悔しても遅い。
彼が言った"売る"とは、いわゆる「春を売る」行為のこと。売春だ。
「で、でも」
「でも何だ」
「最近はパパ活だけで」
「だから年齢詐称して馬鹿なオッさんを騙しているんだな」
「うっ。ごめんなさい」
「もしかして、おまえに騙されたと知ったオッさんが襲ってきたんで、荷物も財布も置いて急いで逃げたとかなのか?」
「ええと。そうじゃなくて」
「なんだ。言えよ」
「縄で縛ろうとしたからです」
「ああ…そうなのか。それは災難だったな」
叱られているのか慰めてくれているのかよくわからない。
「まあ、あれだ。売りはやめておけ。もっと自分を大切にしろ」
「…ありがとう。征也さん」
それでその話は終わりになった。
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