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車回しから玄関先へ車をつけた。男を下ろしてやり、古風なステンドグラスのはまった重厚なドアの鍵を開けた。中に入ると、むっとする熱気が遠ざかる。しんとしていた。
「ここにいろ」
玄関ホールの隅に男を寄り掛からせ、灯りのスイッチを入れる。大股に洗面所まで行き、そこで彼は濡れた服を脱いだ。下着も脱いで裸になる。服も下着も、絞ったら雫が滴りそうなほどびっしょりだった。脱いだそれらをランドリーボックスへ放り込む。
大判のバスタオルで体を拭いてから、裸のまま二階へ上がる。クローゼットルームで新しい下着をつけ、カーキ色のチノパンを履き、素肌の上にコットンのシャツを羽織る。適当にシャツを選び、再び一階へ降りた。グッタリしている男の元へ戻り
「服を脱いでこれを着ていろ」
クローゼットから持ってきた彼のシャツを男へ投げた。
「今、タオルを持ってきてやる」
「すみません」
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