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第6エリア西地区の異能力集団である【曇天】には、東雲・西雲・南雲・北雲と4つの位が存在する。簡単に言うならば、幹部クラスに与えられる称号だ。
「ナンバーツーの秀さんがついてる北雲は例外だが、それ以外の3つは位でいうと同列だな。まぁ先輩後輩の上下はあるけど」
「基本的にはそれぞれの地位につける人材は1人だけ。でもペアを組んでいる場合は、2人で1つの称号を与えられることになるんだ」
冷静さを取り戻した秀が付け加えた言葉に、蓮華がピクリと反応する。そしてある答えに辿り着くと、先ほどよりも一層訝し気な表情を浮かべた。
「……この話の流れでいくと、俺が東雲の座につくってことは、つまり…」
「そう。陸翔は【曇天】の幹部、東雲だよ」
「……これが?」
「泣かすぞクソガキッ!」
「ってことで蓮華くん!入って早々幹部ってのもピンとこないだろうけど、まぁ気楽にやってよ」
「お前はボスとして気楽すぎるがな」
「とーここで!東雲の2人に早速任務を与えたいと思いまっす!!」
秀の鋭いツッコミを強引にスルーし切り出してくる。
新入りとの初任務。それなりに実力があることは先ほど理解した。ここはいつだって人手不足、初めから重いものになるかもしれない。
一体どんな内容なのかと身構える中、ボスは意気揚々と言い放った。
「ズバリ2人には、とある学園に潜入捜査をしてもらいまーす!」
「「……は?」」
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