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平瀬誠は国家公務員に所属するごく平凡な男性である。彼は通勤途上変わってしまった風景を見ながら常々思う事がある。街並みは20年前の小学生の頃とすっかり変わってしまった。変化というのは生きている限り避けられない物であり、そこから得られるノスタルジーもある程度は許容出来ると。
しかし15年前に国家が提唱した「ROV(Represent of productivity:生産性評価制度)」によって人々の生活、人々の価値が根本から変わってしまった事によりまるでそこら中に競争と監視の目が行き届いているかの如く生きづらさを感じてしまう。
15年前国家は少子高齢化のピークに来ていた。税金の控除、子育て支援制度、学校教育無料制度等々様々な支援を実施したが少子高齢化に歯止めをかける事が出来ず、先進国の中でも人口一人当たりの出生率0.9人と過去最悪の数値となってしまった。それに輪をかけるかのような高齢者の増加もまた政府を苦しめた。IPS細胞の研究の発展により平均寿命は100歳を超えてしまった。それにより若者1人が支える老人の数は平均3人となってしまった。
そういった状況を打破すべく政府が打ち出した政策が「ROV」である。
出生から10年毎に政府が定めた項目に従って試験を行う。試験には筆記試験と実技試験がある。項目には主に5つに分類される。そしてその分類された項目において各々の結果を指標化し、平均点毎にデータをプロットし分類していく。
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