線香花火

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とうとう夏休みが終わる。 めっちゃ遊んだ。 まだ遊び足らん気がする。 高校2年は一番楽しい!お姉ちゃんにそう言われ 遊ばなあかんって気合を入れた。 さほど仲良くない友達も誘い、家にいる日がないように びっちりと予定を入れた。 みんな、なかなか忙しい。 久しぶりに会う子とも、とにかく遊ぼうと思い スマホのアドレスと毎日にらめっこしながら 電話をしまくった。 ラインでは話が進まない。強引に誘わなければ予定は埋まらない。 海にも行った。映画にも行った。カラオケにも、バーベキューにも 行った。 また、遊ぼうね。と別れたが何度も同じ友達と遊ぶことはなく 毎日必死で会える子を探しまくった。 そんなことをして過ごした夏もあと一日になった。 最後の一日の予定がなかった。 ここまできたら、どうしても遊びたい。 何度も何度も連絡先を見返し、加奈子を見つけた。 どんな子だったかはっきり思い出せず指が止まらなかった名前。 あちこち断られているのでさほど勇気はいらない。 軽いノリでかけてみた。 何度か呼び出しがなるが、すぐにツーツーと切れた。 2回めも同じ。 切られた感じで腹立たしくなって、3回めもかけてみた。 何度か呼び出しがなり、プチッとつながった。 やった! 「久しぶりー私、麗奈。覚えてる?」 誰にでも同じ出だし。 少しの沈黙の後、 「忘れるわけないやん」と。 少し嬉しくなって、矢継ぎ早に近況報告と夏の最後の思い出作り の提案をした。
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