◇運命への挑戦

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 とても本心とは思えない。  小桃はずっと横暴な麗華のわがままに振り回されてきた。 「荒鬼家が嫌なの?」  両親は麗華のように使用人に威張ったりしない。居心地はいいはずだ。 「嫌じゃありません! でもお嬢様について行きたいんです」  ちらりと小桃を見ると、彼女はにっこりと微笑む。 「お嬢様。私の兄の学費とか、母の治療費とか、奥様にお願いしてくださったんですよね」  麗華はこっそり母に出してあげてほしいと頼んでいた。  内緒のはずなのに、母が伝えていたのか。 「それはいつもわがままを聞いてもらっているお礼」  小桃は左右に首を振る。 「お嬢様は不器用さんですね」 「なによ。失礼な」  クスクスと小桃は楽しそうに笑った。 「こうやって必ず私にもお裾分けをくださるし、私は知ってますよ、お嬢様が実は口で言うほど意地悪じゃなくて、照れ屋なだけだって」  褒められてお尻がムズムズする。
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