金木犀。-美月side-

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「ななちゃん元気?親戚の太陽だけど覚えてる?いきなり連絡してごめん」 やっぱり、あのだいちゃんだよね。 「だいちゃん!?もちろん覚えてるよ。久しぶりだね!元気だった?」 「うん元気だよ。急に連絡してごめん。母さんからななちゃんの連絡先聞いたんだ」 私のこと心配してくれて?ありがとう、だいちゃん。 そう思うとまた涙が溢れてきた。 「いいよ、連絡くれて嬉しいよ。ありがとうね。遅くなっちゃったけど、デビューおめでとう!自分のことのように嬉しいよ」 だいちゃんの頑張ってる姿を見て、何とか頑張っていられたんだよ。 「ありがとう!ねぇ今度ご飯でも食べに行かない?久しぶりに会って話したい」 「ホント!?是非。だいちゃんに会えるの楽しみだなーオーラ凄いのかなー」 「何それwじゃあ決まり!僕も会えるの楽しみ。また連絡する」 「うん!それじゃあね。体に気をつけてお仕事頑張ってね!」 だいちゃん…——。 「ねぇななちゃん、これ見て!」 小さな可愛い手のひらには、オレンジ色の丸い粒がいくつか乗っていた。 「なあに?あっ、におい玉?」 「うん」 「いい匂いだね!何だろう?金木犀?」 「そう!ななちゃん金木犀が好きって言ってたでしょ。だから。はい!」 だいちゃんはにおい玉の入った小瓶を私にくれた。 「ななちゃんにくれるの?嬉しい〜ありがとう」 そう言ってだいちゃんを抱きしめた。 「いつか一緒に金木犀のお花、見ようね」 「うん!」
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