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——あれから1週間。
だいちゃんと会うことになった。
もう半年くらい出かけていない。
知らない間に移り変わる風景に、街を歩くのが少し怖かった。
もうすぐだいちゃんと会えると思うと、すごくドキドキして、胸の鼓動が聞こえてくる。
このドキドキは、だいちゃんに会えるのが嬉しいから?
それとも怖い?
緊張してるから?
いつからだろう。私は私を見失っていた。
答えは出ないのに、自問自答ばかりして、何の意味があるんだろう。
お店に着くと、定員さんに部屋の前まで案内された。
私は小さく息を吐き、ドアを開けた。
目の前に居ただいちゃんは、テレビで見ていた『アイドルの七星太陽』そのままで、キラキラと輝いて見えた。
私は、何故かだいちゃんを遠くに感じて、少し寂しくなった。
「だいちゃん、久しぶり〜!」
すると、
「ななちゃん!」
そう言ってだいちゃんは私に抱きついてきた。
あぁ、あの頃のだいちゃんだ…。
胸の鼓動も、いつの間にか聞こえなくなっていた。
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