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そんな時、母からメッセージが届いた。
「ななちゃん覚えてる?」
「ななちゃんって親戚のお姉ちゃんの?」
「そう。太陽が大好きだったお姉ちゃん」
「何で?何かあったの?」
「さっきおばちゃんから連絡が来て、今大変みたい」
「え!?大変って何?何があったの?」
ななちゃんとは、もう10年以上会っていない。
俺がアイドルを目指し始めたことと、ななちゃんの両親が離婚し、ななちゃんも結婚をして、何となく親戚の集まりも無くなり疎遠になっていた。
一体何があったのか、居ても立っても居られななくなった俺は、自分で直接状況を聞きたくて、母さんにおばさんから連絡先を教えてもらうよう頼んで、ななちゃんにメッセージを送ることにした。
しかし何て送ればいいんだ、緊張するな。
「ななちゃん元気?親戚の太陽だけど覚えてる?いきなり連絡してごめん」
…待てよ。
10年も連絡すら取ってないし、覚えてなかったらどうしよう。
ヤバい奴だと思われてブロックされたら!?
そんな事をモヤモヤと考えていると返信が来た。
「だいちゃん!?もちろん覚えてるよ。久しぶりだね!元気だった?」
はぁ良かった俺。
「うん元気だよ。急に連絡してごめん。母さんから連絡先聞いたんだ」
「いいよ、連絡くれて嬉しいよ。ありがとうね。遅くなっちゃったけど、デビューおめでとう!自分のことのように嬉しいよ」
あの頃のまま、相変わらず優しいななちゃんだった。
「ありがとう!ねぇ今度ご飯でも食べに行かない?久しぶりに会って話したい」
「ホント!?是非。だいちゃんに会えるの楽しみだなーオーラ凄いのかなー」
「何それwじゃあ決まり!僕も会えるの楽しみ。また連絡する」
「うん!それじゃあね。体に気をつけてお仕事頑張ってね!」
ななちゃんが「頑張って」って。…これ、スクショしておこう。
…てか、ヤバい。
嬉しすぎてテンション上がってスルッと約束しちゃったけど、ななちゃんに会うのか俺…!?
マジか。
大丈夫か俺、落ち着け俺。
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