久しぶりの再開。

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久しぶりの再開。

あれから1週間後、俺の仕事終わりに、ななちゃんと夕飯を食べることになった。 俺は久しぶりにななちゃんに会えることに浮かれつつも、一体ななちゃんに何があったのか、この1週間不安で生きてる気がしなかった。 大人になったななちゃんが、どんな姿のかは知っていた。 もう10年近く前になるけど、俺が12歳の時、自宅に届いた「結婚しました」のハガキを見たからだ。 そのハガキに写っていたななちゃんは、今まで見たことがないほど綺麗で、幸せそうな笑顔がキラキラと輝いて見えた。 当時の俺は「僕のお姉ちゃんが…」と絶望して立ち直るまでに時間がかかった。 だが、それがきっかけでどこか吹っ切れ、本気でアイドルを目指そうと思ったんだ。 11歳の時、母に連れられて、当時大人気だった男性アイドルグループのライブを観に行った。 華やかに飾られた舞台で、煌びやかな衣装を身に纏い、華麗に踊りながら歌う姿。それに惹きつけられた歓声——。 初めて観た光景に、こんな世界があるんだと魅了され胸が高鳴った。 そして、いつか僕もこんな風になりたい!そう強く思った。
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