5章 ソウルセイヴァー集結

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 シヴァ一族の破壊と創造宣言から一週間、東国の守護神〈ガーディアン〉本部には属するソウルセイヴァーの殆どが集結していた。  その理由は勿論彼らの宣言に対する対策会議を開く為。  普段殆ど揃うことのない顔ぶれが守護神本部に並んでいた。  司令室に座り切れる人数ではないので、大きな会議室に集まる。  ソウルセイヴァーの中には数ヶ月ぶりに会う者や、中には任務の都合ですれ違い、数年ぶりに顔を合わすものもいる。しかし互いに懐かしむ声も一言二言で、皆どこか険しい顔付きで席に着く。  円になった机の一番奥に、この守護神本部のトップである司令長、打木が座る。  彼の左後ろには黒髪の男が姿勢良く立っている。  錚々たる顔ぶれに会議室の空気が張り詰める。  そんな中、他のメンバーと同じ様に席についたそばかすと亜麻色の癖毛が特徴の男はその空気に息苦しさを感じて額の汗を拭う。  少年の様な顔付きの彼は二十八歳の歴とした大人な訳だが、このような場は数える程しかない。何より普段見ない顔ぶれが揃っているのだ。緊張しない方がおかしい。  いつも補佐として己の隣にいる冷静沈着な男がいないので、更に落ち着かない気分になるが無理矢理切り替える。  さて、と司令長から声が発せられる。皆その声の主人に視線を向けた。  顔の前で手を組んだ彼はいつもの掴みどころのない笑顔がナリを潜め、いつになく真剣な顔付きだった。 「──会議始めましょか」  うっすら開いた茶色い瞳が鋭く光った。
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