8人が本棚に入れています
本棚に追加
新聞に書かれていた通り、世界中の財宝が飾られているようだった。世界最古の宝石。王の骸骨。金でできた糸でしか織られていないカーペット。
剣があった。
悪魔の呪いを解く、と書かれてある。
エリカはそこで立ち止まった。自然と、僕も立ち止まる。
エリカは剣をじっと見ている。そして、そのそばにある鏡も。
「……かっこいいね」
僕は、エリカに話しかけた。
「この剣、悪魔の呪いを解くことができるんだって。これがあったら、きっと誰よりも強くなれるね」
するとエリカは、ぼそぼそと
「でも死神からは逃れることはできない。悪魔でさえも」
と言ったのだった。
「え……」
そしてエリカは、すっと手をふりほどいた。
そして、その手を鏡にかざして、鏡にさわろうとした。
「母さん」
そうつぶやいて。
するとつぶやいたとたん、エリカの体がぐらりと揺れた。そして急に、バタバタとエリカが暴れ出した。
「いやっ、……だめっ」
そしてエリカはバン、と、後ろの壁に飛んだ。エリカの背中が、後ろの壁に強く当たった。
「いっ……」
「エリカっ」
エリカは床に倒れた。
「エリカ、大丈夫」
「うう……うん」
最初のコメントを投稿しよう!