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弐
白雪を北に帰したところで親子関係が改善出来たかなんて分からない。
北に入れば眼黒病を早くに発症していただろう。幸せを知らないままだっただろう。
全てが遅すぎなんだと天雷が叢雲に叫ぶ。
---「何度生まれ変わっても私はあの方に恋をする」
本当の意味で愛姫の心を手に入れられるのはただ一人だけ。
己の君主だけだった。
「あぁ、そうだ」
それ全て先に自ら壊したのは水神だ。
闇神を裏切っていなければ今頃彼は二人を祝福していただろう。
「君主が闇神を?」
そんな話聞いた事がない。
「それはお前らが知らなかっただけだろうが!!」
とにかく北の闇神を裏切った東の水神を許せなかった。
全ては水神が招いた事だ。
「俺らは君主を裏切り愛姫様を奪った水神を決して許す事はないっ!!」
----ゴポッ!
「っ?!!」
突然の事だった。
胃から何かが一瞬にして込み上げで来たと思えば口から熱い液体が吐き出された。
それが己の血液だなんて気づくのに少しだけ時間がかかった。
「·····な゛····っ」
何をした?
そういう前に空から落下していく。
天雷だけでは無い。
北以外の神人達が次々と落ちていっている。
あぁ、なるほど。
これが 蕃神が懸念していたやつか。
そう天雷達は闇神の影がいる奈落の地割れへと落ちていった。
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