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「あぁ、分からねぇなぁ」
父親なら周りに何を言われようと無理にでも娘の所に行って会いに行けばいい。
抱き締めてやればいい。
父親が子に逢いに行く理由なんて必要ないのだから。
「全て闇神の自業自得だろうが!!」
水神は偶然自分の住処に居合わせたボロボロになった白雪を拾い上げて人らしい生き方をさせただけ。
名前を授け、誰かを愛する事、愛される事を教えただけ。
白雪が天雷に水神の事を話してくれた。
「薄汚れた私を拾って綺麗にしてくれたのは主様」
「仇の娘だと言うのに名前をくれて愛してくれた」
「主様が最期に微笑んでくれたあの顔が忘れられない」
「·····逢いたい」
白雪の言葉の一つ一つが全て水神の為の言葉なのだとすぐに気づいた。
死んでも····いや、死んだ後も彼女の事を愛した証が彼女自身がもっている。
「黙れ」と、叫び突っ込んできた叢雲と天雷が再び武器をぶつけ合う。
ぶつければぶつける程、刀同士が火花を散らすしていく。
「自業自得?貴様の主が愛姫様を北に送り返せばこんな大事にならなかったわ」
白雪さえ返せば残りの短い寿命を謳歌出来ただろう。
それをする事もなく水神は白雪を選んだ。
嫌がらせの一つとして娘を誰にも見つからない結界の中へと隠した。
それを知っていただろう火ノ神も水神と共謀し、北から国宝を奪ったのだ。
重罪として殺されて当然の報いだったと叢雲は言う。
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