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蕃神が大将ではない?
ではそこにいる娘だろうか?
「水神の出涸らしが大将か?」
「おいコラ誰が誰の出涸らしだって?」
そもそも気体化した呪毒を吸っても平気な時点で水神よりも己の方が優秀だと翠は主張する。
「そもそもこんな美少女目の前にしといて出涸らしとか失礼すぎるだろ?」
「「出涸らしだろ?」」
「おいこの腐れ神共」
二人とも頭をかち割ってやるから頭を垂れろと敵味方関係ないと言うように血染まりの石棒を取り出して翠がキレる。
「こんな出涸らしを大将なんかにすりゃうちの陣営は自滅まっしぐらだわ」
では誰かと闇神がシラケた表情でララを見る。
斬火と戦っている西の火ノ神の弟子では荷が重いだろう。
「お前もよく知ってる奴だよ」
絶対討つ事は出来ないとララが笑う。
しかし、その大将が誰かわからなければ意味が無い。
現状、ララが連合軍の大将であると変わりない。
この戦を始めると決めた人物。
その時、闇神はまだ誰の事なのかなんて知る由もなかった。
*
「お前らも呪毒の対策をしているなんて思わなかった」
舌打ちをする飛雷に血にまみれた口を拭う詩雲が笑う。
「俺らの命を繋いでくれた奴のおかげだ」
そいつがいなければ負けていた。
誰の事を言っているのか分かるから物悲しくなる。
自分達の作戦を台無しにされたのにも関わらず憎む事も嫌いになる事も出来ないから逆に辛く感じる。
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