6/11
前へ
/102ページ
次へ
 ----ガアアアァアアァァンっと、魂だと言うのに鈍く激痛を感じる衝撃が走る。 「あ、なんかいた?」  居ましたとも。  血にまみれ、数々の恨みつらみの込められたその石棒で殴られてその魂は四方八方に飛び散ったけれども。  悪神も一体何が起きたかなんて分からなかっただろう。  魂だけとなり、翠によって飛び散った悪神はそのまま身体も炭のようになり消えてしまった。 「翠!」 「おう!」  呪毒の所為で神力を削られたララに代わって自分が主になった翠が鬼神の神力の種を分けて闇神へとぶつける。  炎・雷・氷・風を選別して鬼神との修行の時みたいに技を繰り出す。  回復は水の神力で、ララの補助に回る。  闇神が放つ影の触手は鋭利な刀に代わり二人を襲うが、それ全てララが引き受けた。  翠は闇神へ真っ直ぐ石棒をもって攻撃を仕掛けに行った。 「·······」  その戦う時の翠の表情は父親を連想させるものがあった。  戦い方等は全く違うがその翡翠にも似た色の瞳で睨みつける時の表情はやはり 「癪に障る」  闇神の刀から現れる黒紫の光がぶつけてくる翠の石棒に宿る怨念を抜き取っていく。 「な!?」  抜き取られた怨念は変化し、紫の靄がかかった髑髏の様な巨大な化け物を作り出した。  
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加