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「翠ちゃんそこ変わってぇえええ!?」  現在進行形で化け物と交戦中であるララが叫ぶ。  物理攻撃不可。  でも、化け物が肉体に触れる事は可能。  最早意味がわからないとララが叫ぶ。 「こんな訳分からん生き物······生き物ぉ!?ねぇ、これ生き物なの?!何なの闇ちゃん!!?」 「「やかましい腐れ神」」 「息ぴったり!!」  そもそも実体化してないこんな幻影なのか生き霊なのかはたまた怨霊なのか分からない気持ちの悪いものは己は専門外だとララがこれでもかと言う程に喚く。  まだ、鬼神の記憶の欠片と修行した翠の方が適任だろう。 「何?聖水でもかければいいの?!今出ないんだけどぉ!!」  聖水の意味が違う。  どの聖水の事を言っているのだこの変態腐れ神。 「「本当に気持ち悪い」」 「お前ら仲良しか!!?」  これだけは意気投合するしかない。  したくなくてもこれだけは言わせてもらう。 「「気持ち悪い事を言うお前が悪い」」  こんなのが南の時の蕃神だなんて蕃神を知らない者からしたらきっと幻滅だろう。  しかし、本当にこの化け物は物理的な攻撃が効かない。  対怨霊怨念を退治したと言う武器はないかと記憶を巡らせるが、持っていない。  昔、西側諸国に聖剣となるものがあると聞きつけイードルと見に行った事があるが偽物だった。  実質、今ララの手元にはまともに使える武器がないという事である。 「詰んだぁあああ!!」  こんな怨念を込めた凱楽や風美、雅鷹その他エトセトラを心底恨みたくなった。  そもそも翠が闇神に怨念を吸い取られなければこうならなかったわけだ。  つまり、やはり当たり前だが闇神が悪い。  怒りの矛先を闇神に向けた。 「自業自得だろ」  何処に自分の側近にそこまで恨まれる上司がいる。  ララの刀が闇神に届く前に化け物の平手でぶっ飛ばされる。  武器で防御しようにも武器をすり抜けてララに攻撃が当たる状態だ。  こんな化け物どう殺れと言うのか元凶を殺るしかないだろうが、問題の元凶に届く前に防御不可避の化け物が殴ってくる。 「がぁあ゛じぃ゛ぃら゛ァァ゛ァ!!」 「誰が頭だ!?この骸骨!!」  それよりこの化け物喋れた事に驚愕だ。 念が強ければ強い程知能が高くなる。 「頭って言うなら殴ってくんなこの·····           凱楽二号機!!」 -----バァアァン。と、ララは岩壁に向かってぶっ飛ばされ岩壁を破壊した。  凱楽二号機と命名された骸骨の化け物である怨念は特に凱楽の怨みが強いのだろう。  凱楽二号機の空洞の目から黒い泥の様な涙が流れている。 「····絶てぇ後で凱楽ぶっ飛ばしてやる····」  ララの怒りの矛先が凱楽に向けられたのは必然的な事たった。
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