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参
タミドールのおかげでやっとこっちに集中出来るとララが笑う。
「そのタミドールって人、大丈夫なの?」
物理攻撃不可の化け物を相手に出来るのかと、翠が聞けば「問題ない」と、返事が返ってきた。
「あいつの専門分野だっつってたわ」
魂を喰らう悪神には怨念も一つの主食の様なものらしい。
「悪食」
そう言って目の前の悪神に目を向ければ「誰があんなもん食うか」と、蔑んだ目をされた。
タミドールは一部で悪神と言われているが通常の女神だ。
破壊神の異名は持っているが····
「さて、とりあえず····」
ララがある刀を召喚した。
白銀の色をしながらもその刀には炎を宿した様な刀。
「この刀に見覚えは?」
「·····覚えておらぬ」
「そうかい」
お前が拷問して公開処刑した火ノ神の模写刀。
彼奴もさぞや目の前のスカした男の事を怨んで死んだ事だろう。
この模写刀にはその様な念は込められていないが、もし込められているのならそれは先程の化け物なんて比べ物にならない程の巨大な念かもしれない。
愛姫誘拐の濡れ衣を着せられて壮絶な最期を迎えた火ノ神。
あえてその持ち主の模擬刀を作り出したのは嫌味なのだろうか。
「あの男と共謀しておったのは事実だろう?」
白雪を囲っていた水神を匿っていた。
それだけで国を滅ぼされ壮絶の死を迎える程の重罪を火ノ神は自ら負った。
北の国宝を奪った罪は重い。
そして、南の蕃神も同じ罪であると。
「はっ。ほざけ」
南に来て倭の国土全部をララにやるから父親を倒す為に力を貸せと言ってきたのは白雪本人だ。
ララは力を貸しただけ。
全ては白雪自信の意思である。
火ノ神の模擬刀で紅葉の刀とまじ合わせると刀に熱が放出されたと共に爆発する。
ララは己の身体が焼かれる前の状態に巻き戻しをして紅葉は空間を操り吸い込んで行く。
刀がぶつかり会う度に互いの神力で相殺されるを繰り返す。
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