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力は決して強いわけではないが、それでも東を焼かれ冷遇され続けてきた彼等は立ち上がり紫と綿と共にやって来た。
「しかし····」
この惨状を見て最早災害だと綿が絶句する。
遠目の空は雷と雨、風が吹き荒れ、大地は裂けて崩れ爆発による陥没や岩壁が大きく削れている。
しまいにはマグマらしきものまでもが見え黒い影の手が大地の裂け目から現れ翠達を襲っている。
「これは酷い」
その言葉で片付けられたらどんなに良かっただろうか。
「今頃海も大荒れてるでしょうね」
凶暴化した水使い達がいる為とんでもない事になっているのは確かである。
「チッ」
雑魚が湧き出てきたと、舌打ちをする。
「闇神····君主の仇を討ち取らせて頂きます」
当時、東の水神の秘書官だった紫。
どこかに身を隠しているとは思っていたが、やはり生きていた。
すぐ近くで水神の背中を見て来たのは彼女だ。
仇を誰よりも取りたいのは彼女かもしれない。
だが····
「貴様に君主が討てるわけがないだろ」
「その前に我々がお前達を殺す」
「っ紫様!!」
急ぎ綿が蜘蛛の巣を作り出してやって来た敵を捕らえようとする。
しかし、その綿の蜘蛛の巣は一瞬にして凍てつき粉々に割れてしまった。
そして、目の前に現れたのは白に近い青色の髪薄蒼色の切れ長の瞳に白肌の雪使いの男、北の第二部隊隊長【吹雪】が刀を振り降ろす瞬間だった。
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